九月
山人

 

心なし風はためらいながら
言葉の破片を引き連れて
鬱蒼とした森へと向かう

真実は青く沈み
均された虚像は
幼気にしずまりかえる



ブルー
光沢のある青い魚が
静まり返った淵の中を
思いついたように尾を翻し
河床の色に程よく溶け込んで
水とともに揺らめいている


自由詩 九月 Copyright 山人 2020-08-29 05:23:44
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