嘘つく、啄木鳥
秋葉竹




君の骨をみたことある、なんて嘘をつく



部屋に入った深夜、床にすわりこむ



あたらしい夜を探して路地をゆく



生きて、辛くても、啄木鳥



瞳には、あのころなぜか、闇ばかり



這い寄る日常の息苦しさと飛沫(しぶき)



月光に冴える、バルコニーの空き瓶



酔うのは、忘れたいから、ころがす銀杏



本よむ午前3時、遠くの道にトラックの音



くらい宇宙だから、くちづけをください



瞳の奥に君の本当をみた、なんて嘘をつく









俳句 嘘つく、啄木鳥 Copyright 秋葉竹 2020-08-28 05:55:21
notebook Home 戻る