夏は咲きたい
万願寺

こんなふうに育つはずじゃなかった。黄色の朝顔って見た事あります?多分無いと思うんだけど、あなたって黄色の朝顔よね、って言われた人ならわたし見た事ある。黄色はいい色。悪くない色。でも朝顔としては全然だれにも知られたくないっていう存在でしょ?そんなものがあるのかってくらい。あってもなくてもどっちでもいいでしょうってその人は言うの。ただただ、黄色の朝顔があってもそれはそれで綺麗でしょうし、元気を貰う人もいるかもしれないし、それでも、どうしても、一定の人には、心からの吐き気を催させてしまうのです。それは罪というよりは罰で、そんなふうに育つはずじゃなかったものをつきつけちゃったら、目の前の人に吐かれちゃうよっていう、教訓らしき願いです。わたしは黄色い朝顔も好きだよ。もしもそんなものが世界にあるなら、わたしはそれを好きになる自信がある。でもそれを見て吐いちゃうほど恐怖をおぼえる人がいるとしたらどうかな。私は黄色の朝顔を捨てるかもしれない。わたしも、朝顔も、悪くはない。悪くはなくて、ただ単にちょっと「有り得ない」だけだけど、それってすごく重罪でしょう。有り得ないものは有り得てはいけないし、人を傷つけることは悪いことだわ。悪いことをしたいと思わない。わたしも黄色い朝顔もそう思っていますが、咲きたい気持ちも、黒くて固くてなかは真っ白な、種を残したい気持ちも、どこかでだれかが買い取ってくれたらいいのに。あなたなら3000万くらい出せるでしょう?それで、わたしたちも、その人達をも、救ってよ。


自由詩 夏は咲きたい Copyright 万願寺 2020-06-30 07:39:20
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