雨降り、心
小林ケン

窓の外、私の心、雨模様
天上の隙間から
ポツリ、ポツリと落ちてくる
雨粒は、まるで涙の雫
涙で心を濡らさぬように
私は、心に器を置いた

水差し、花瓶、一輪挿し
グラス、徳利、夫婦茶碗
祝杯、賜杯、水杯
コップの中は、いつでも嵐

天上の切れ間から
絶えることなく降ってくる
涙のような雨粒に
私の器が満たされて
溢れて、零れ落ちるまで
あと、どれくらい
あと、どれくらい


自由詩 雨降り、心 Copyright 小林ケン 2020-06-27 19:32:05
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