ボタン
ミナト 螢
穴の空いたボタンは
どうしても指先が入らない
そこに何を落としたのだろう
そこに何を埋めたのだろう
見えなくても届かなくても
掛け違えたボタンは
シャツの裾を尖らせる
永遠のステップを踏んでいた
僕は丸いカーブに飛び降りて
ただ光だけを集めて叫び
君の夢が育ち過ぎないように
バツ印のクラクションを鳴らす
自由詩
ボタン
Copyright
ミナト 螢
2020-06-05 10:52:46