支離滅裂の嘘ばっかり
こたきひろし

青ざめた紙面の上に文字にできない言葉は蹲って
悲惨に陰った時のこの胸の奥には言葉に出来ない思いがひしめきあったりした

似てるようで寡黙と無口は違うから
普段は陽気で雄弁な人も
時には無言を貫く事もあるし

寂しかったって言い訳に
簡単に愛情を裏切るなんていったいどんな了見なんだよ
たいがいの我儘はゆるせても
こればっかりは無理だから

本音を言ったら
誰だって自分を中心に円が描かれて欲しいよ
でもそうなってしまったら
コンパスみたいに尖った針を刺して立ってなければならなくなるんだ

あんたの口は軽いね
どうやったらそうやってペラペラと口が回るのさ
みんな嘘ばっかり並べてさ
あんたの嘘に周りが簡単に引っ掛かるんだから
世の中どうかしてるよ

あんたみたいなのが蔓延ると
真っ直ぐのびたくても足をとられて転んでしまう
正直者が可哀想だと思わないのかね

チャラチャラしてても
見た目がいいから皆騙されるんだろうな
一緒にいると楽しいし
気疲れしない

嘘ばっかりのかたまりでも
身も心も持ってかれてしまった

嘘ばっかりが大手を振って歩いてる
世の中だからさ

弱いものは
いつも泣き寝入りさ
泣き寝入りなんだよ

それが悔しかったら
良い人やめればいいよ

嘘ばっかりが大手を振って
歩いてまわる
世の中なんだからさ






自由詩 支離滅裂の嘘ばっかり Copyright こたきひろし 2020-06-03 23:21:38
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