しゃにむに
七
果てしない空にいる
姿なきしゃにむに
あるときは
つまづいて転がっていく石ころ
あるときは
風が止まったやにわに交わすキス
ときどき現れては
影だけを残して
もとからいなかったように消えてしまう
(憐れむものなどもう残っていなかった)
ぬるく光る夕陽の
やわらかな残像
はかなく
あとすこしで届きそうな
かたちなきしゃにむに
見つけようと目を凝らす
きょうを
この今をなくさないために
きみたちすべてに
なまえをつけたんだ
自由詩
しゃにむに
Copyright
七
2020-05-17 01:34:10