待ちぼうけ
ミナト 螢
どこへでも行けるのに
どこへも行けない
野生から戻った犬みたいに
誰かをずっと待っている
約束なんてしていないままで
僕の影だけが踏まれていく
みんなは麦わら帽子を被った
天使なんだろうな
夏に追われた遠吠えは
昔のアクセサリー
飾ることなく偽ることなく
時間のアイスクリームが
巻き上げながら溶けて
アスファルトの隙間を汚すバニラが
君の落としたバラなら良かった
自由詩
待ちぼうけ
Copyright
ミナト 螢
2020-05-12 17:46:43