眠り
葉leaf

眠っている君は川として流れている
川底に愛を沈めたまま
川面では色とりどりの情をきらめかす
やがて海へと至る水量に夢を浸し
無限に湧き出る水源で僕を待っている

眠っている君は電燈として照らしている
君が照らせるのは頭蓋の中であり
限りなく深い光で連想の果てまで届く
路傍にたたずみ虫を集めて君は
二人だけの豊かな生活を光ですすいでいる

眠っている君は闇として充満している
いくつものひらめきを瞬きながら
僕の不意を衝くメッセージを巻いていく
僕らの家をまんべんなく満たしながら
闇の濁り目を手際よく通水させる


自由詩 眠り Copyright 葉leaf 2020-05-05 13:32:11
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