衰退クロスロード
もとこ

ボクの前に道はない
アタシの後にも道はない
進んでいるのか戻ってるのか
分からないから立ちつくしてる

ボクはたまにアタシになり
アタシはボクの悪口を言う
見上げた空へ墜ちていく
合わせ鏡の迷宮巡り

生まれたばかりの老人たちが
若者たちを喰いつくし
骨が散らばる白夜の道に
産み捨てられたアタシたち

透けた身体の聖者どもが
「早すぎたね」とか
「手遅れだね」とか
勝手なことを言いながら
ボクをアタシを布で包んで
十字路の横に埋葬する

いつか北の道から母さんが
いつか西の道から父さんが
導かれて操られてやってきて
この十字路で出会う日まで
顔も名前もないボクたちは
夢のない眠りを貪り続ける


自由詩 衰退クロスロード Copyright もとこ 2020-04-29 13:51:00
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