衰退クロスロード
もとこ
ボクの前に道はない
アタシの後にも道はない
進んでいるのか戻ってるのか
分からないから立ちつくしてる
ボクはたまにアタシになり
アタシはボクの悪口を言う
見上げた空へ墜ちていく
合わせ鏡の迷宮巡り
生まれたばかりの老人たちが
若者たちを喰いつくし
骨が散らばる白夜の道に
産み捨てられたアタシたち
透けた身体の聖者どもが
「早すぎたね」とか
「手遅れだね」とか
勝手なことを言いながら
ボクをアタシを布で包んで
十字路の横に埋葬する
いつか北の道から母さんが
いつか西の道から父さんが
導かれて操られてやってきて
この十字路で出会う日まで
顔も名前もないボクたちは
夢のない眠りを貪り続ける