時を抱く
猫の耳

形のないもの
捉えどころのないもの
けれどとても大切なもの

淡々と確実に
過ぎ去るもの
私の腕をすり抜けて
青空に溶けてしまう
大事な人も一緒に
連れて行ってしまう
どんどん遠くなる

それでも愛おしく
私は何度でも手を伸ばし
頬ずりをして
強く抱く
力いっぱい
不器用な気持ちを
ぶつけながら

時を抱く


自由詩 時を抱く Copyright 猫の耳 2020-04-21 23:49:27
notebook Home 戻る  過去 未来