はらりはらり
猫の耳

ハナミズキの
季節が巡ってくる

透き通るくらい
薄い花びらが
ふるふると
少しだけ冷たい風に
揺れている

東の空に月が上る

どうしていつも
ひとりなんだろう
どうして人は
離れてしまうんだろう

花びらが
木から離れるように
はらりはらり

月が南の高い空へと
移動していく

肩先を掠めて花が散る
月明りに怯えるように
はらりはらり


自由詩 はらりはらり Copyright 猫の耳 2020-04-17 22:10:55
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