記憶
たもつ



まぶたの裏に
アパート
小人が住んでいる
相談する
今日という
暦のあり方を
雲の一部が
化石になる真昼
小人と言葉
シーソーをすれば
壊れていく
物と事
取り戻すことは
容易い
私たちの優しさは
いつも狡いから
空気いっぱいの
ヒヤシンスを積んで
バスは行く
後はもう
誰も知らない記憶
記憶と名付けられた
記憶



自由詩 記憶 Copyright たもつ 2020-04-10 18:47:33
notebook Home 戻る  過去 未来