水やり

花が咲いていた
透明な花だった
不安げに 宙を見つめて
静かに淡く咲いていた


その花を殺すために
私は今も生き続けている
毎日を 拾い集めて
私は今も生き続けている


音楽は鳴りやまない
花はいつまでも枯れない
ららら
らららと
雨が降り
毎日が積もっていく


ベッドの中で
水をやりながら
私はその時を待つ

花を殺すために
私は今も生き続けている









自由詩 水やり Copyright  2020-04-06 00:43:53
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