スノードロップの妖精
丘白月

雪の涙が落ちるように
春を待つ種を見守る
慈愛の白い花

雪の蝋燭のような
やさしい光が
大地に沁みわたる

白い花をささえる
透き通る翡翠のような
純水で創られた緑のストロー

夜になれば
月の光を抱いて
提灯になり星を導く

雪の畑に満天の夜空が
影絵になって
ゆっくりと動いてゆく

妖精は春を待ちながら
窓辺で母が子に読む
童話を一緒に聞く


自由詩 スノードロップの妖精 Copyright 丘白月 2020-03-06 22:13:26
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