きみのてを

真っ白な正方形の紙の真ん中に
万年筆で花、と書いた

そうすると花という字が
何もない所から颯爽と現れたように見えるが
よく見ると白という空白に押し出された
花という字の形をした
歪みのような深淵にも見える

これが世界に生み落とされた
存在という意味の姿だ



自由詩Copyright きみのてを 2020-02-29 21:00:05
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