ただのひとり言
卯月とわ子

満開の花を見ると
枯れていく未来が見えてしまって
泣けてくるんだ

あなたは言った
わたしの目を見て

わたしは満開の花だった
もう過ぎ去ったことだけど
わたしにも満開の時があった
でも今じゃ
蕾すらつかない
枯れかけの幹も枝も
あなたを引き留めるには
力不足で

あなたが見た未来は
わたしにもやって来た
春・夏・秋・冬
巡るはずの季節も
足を止めてわたしの元へはやって来ないの

あなたもいつか枯れる時が来るでしょう
その未来を見てわたしは
涙を流すことは出来ないんだ

・・・なんて浅ましいんだろう

ごめんね、忘れてね。
ただのひとり言だから


自由詩 ただのひとり言 Copyright 卯月とわ子 2020-02-29 10:27:08
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