comfort sea
むぎのようこ
みたされた気持ちで
穏やかに凪いだ
うみのつめたさを
身、ひとつで裂いた
くらい海面に
ちりちりと遠い
工場の
あかりが散っていって
いつの間にか
ひたひたと素足に
まとわりつく
髪のさきをしたたった
みずが泣くように
割れ
すなに解けた
こころつもりを
計って
それはみな器用に
ほどけて
しまうからうつくしい
ものはいらなくて
瞬きしながら
何度も
うまれてしまっても
とがめない
漂白された
まなざしも朝には
失せて
みな、ほうりだす
自由詩
comfort sea
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むぎのようこ
2020-02-27 00:33:43