さくら
丘白月

さよならの導火線は
遠い夏の線香花火
最後の夏だったから

雪が溶けたら
春が来たら
そう言って

花咲爺さんに化けた妖精
笑って平気なふりしてた
手品師が出せるのは造花

二人で春を待って
雪が消えたらいいねと言った
桜を見ようねと言った

今年も開花宣言がでたよ
見に行こう
そばにおいで



自由詩 さくら Copyright 丘白月 2020-02-24 17:53:21
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