Brethnig  呼吸かな
こたきひろし

なにぶん英語が苦手なのでスペル間違えてるかも

人間生まれて息を引き取る迄に果たして何回呼吸を繰り返すんだろうな?

そんなの考えるに値しないの
かな

考えるに値しない事を
生活に何の役に立たない事を
考えてしまう癖があって実に悩ましい

たとえば女のこが成長するにつれて
父親を段々に避け始め
やたら不潔な存在として嫌い出すにはそれなりの
理由が有る筈だ

でもこれは考えるに充分に値するだろう

幸か不孝か
私は十歳年下の妻を持った

それが私が三十代半ばであったから何の問題もなかったが
もし十八歳で
八歳の子供を相手にしていたら
私は立派な犯罪者である

ハアハアなんて息を荒めたりしては為らない訳だから

それは一先ず置いておいて
妻は結婚して一年の間には妊娠をして
無事に出産してくれた

それはそれは可愛い女のこを産んでくれたのである
妻は実家に里帰りしなかったので
落としたら壊れかねない赤ちゃん相手に
夫婦は
お風呂に授乳にオムツに一致協力して取り組んだのである

それもこれも我が子可愛さゆえに出来た事だ

長女が三歳になるまでは二人目は作らない約束をした
その家族計画を守る為に避妊を怠らない夫婦生活だった

さすがに性欲に蓋を被せる訳にはいかなかったのだ
そこに男女差はなかったし

計画の通り
長女が三歳になってから避妊は止めた
その結果二人目を授かった
二人目も産まれたのは女のこだった

可愛くて可愛くて仕方なかった
我が子可愛さゆえに必死に子育てした

なのに娘たちは成長するにつれて
父親を嫌うようになった

そこで私は本で調べた
理由が解った

女のこは年頃になると
本能的に父親からの近親相姦を回避するために
父親の加齢臭や見た目の劣化に拒否反応を示すらしい

成る程な
と素直に納得出来なくて
一時期苦しんだ記憶も今は懐かしい

とは言っても
平安時代の頃は近親婚は普通にあったらしい
その頃の和歌には恋人を「妹」と詠んでいるではないか

これもまた一つの知識として受け入れた

父親への嫌悪感が薄れて来た頃
つまり娘が女になった季節に長女に言われた
「あたしお父さんを父親としては認めるけど、男性としてはブーだと両の手を使ってバッテンされた

その時、私は黙ってそれを受け入れた


自由詩 Brethnig  呼吸かな Copyright こたきひろし 2020-02-15 06:45:02
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