折り紙
アラガイs
平面を二つに折りこめば空間が立ち上がり
さらに折り重ねれば世界は分断され
照らされた片方の裏側
深呼吸
蒸発に
いくつもの言葉たちが生まれた
不器用な二つの指先が
器用さを装いながら臍の語尾を折りこむ
「ここで切り取るのだ」
歪む曲線 そして
きみの影が立ち上がる
虚と リリシズムに
※
休み休んでも飛び立てないのはお腹に溜まった滓を宙の外へと吐き出せないからだろう。厳粛に建物は並び。墜ちて報われぬ鳩。解体されなければならない。外側を人々は祈念碑として遺せという。それは財政的に困難だと為政者は理由を挙げ未来への構築に向けて物質社会の役割を果たそうと考える。いずれにせよ当事者は折り皺の暗闇に影を残す裏側と光りを支配しようとする表側と。雑踏にゆれる影。すべての責任は影を指す者の側にあると刻まれた言葉たちの慰霊を放棄するが碑そのものに対して何も反駁はしない。「街」廃炉に浮かび上がる言葉たちの祈りよ。落葉樹の枝は何処に放置される。いまも炉に焼かれる虚炎そのどちらにも空間は寄与はしない。折り紙の薄い溝の狭間に漂う当事者たちの暗闇。織り込まれた皺の影は宙を目指そうと飛び立ち未だ顧みられることはない。 街