あなたはどうして、どうして手に持つコップが空っぽなのか考える
竜門勇気


ゆらゆら帝国が解散して
どうにかぼくは社会生活とやらがやれるようになった
音楽に縛られる生活からはもうおさらばだ
頭の中で細かな粒が湧き上がって夕暮れ
くたくただけど部屋の中に流れる音楽に踊らされない
その代わり眠る時間が増えた
休日前の最後のタイムカードを踏んだ瞬間夢の中へ落ちる

夢なのか妄想かどっちだ
誰かを殺したり世界を鼻息でふっとばしたり
僕のコップは空っぽで
どうでも良くなってた
きっと、きっと意味のある不足なんだ、満たされた不足なんだ。。。

なにかの集まりが終わるとき
それを説明する言葉があって、それを受ける人がいる
どこまでも続く地平線があって
隣り合って歩き続ける
頭の中で細かな粒が溶けながら消えてく
溶けきれなかった粒が弾けてかすかに音を立てる
黒いインクを目薬代わりに点し続ける
出勤前の最後のスイムがゴールの君に合図を投げる

夢の中でも嘘か、そんなのとばっちりだ
誰かが僕にまたがり信じたいなんて泣きわめいたり
君は
僕の空っぽのコップに
どうしてもなにか入ってると思いたかったんだ
きっと意味のある不足なんだ、きっと。。。
そうやって壊すんだ



自由詩 あなたはどうして、どうして手に持つコップが空っぽなのか考える Copyright 竜門勇気 2020-02-06 22:25:35
notebook Home 戻る  過去 未来