ただ風の、吹く
秋葉竹
固まった雪の中の
アスファルトは、なぜか、あたたかくて
歩道に車を乗りあげ
樹氷を断ち割ったあとの、氷雪を、踏み固め
青空を信じて、いく
白雪を撫でて、いく
世界を変える青空は
灰色の雲に、泣きながら、汚されて、いく
そのときの冷たい風音は
私を暗闇の牢獄の中へ、そっと、追いやって、いく
あのときのあなたの優しい嘘を
バネのように美しく、明るく、揺らして、いく
自由詩
ただ風の、吹く
Copyright
秋葉竹
2020-02-05 22:11:02