夜想
レタス

水はぼくという暗闇を通り過ぎていく
空気もぼくの暗闇の中で膨張したり縮小したりする
太陽と月の関係のように
光と影の螺旋は何処までも続く

独りで生まれ
独りで死んでゆく
生まれることは祝福ではない
死は決して不幸ではない

告知されたあの時
一瞬脳裏を支配した死の影は何だったのだろう
生と死の曖昧な灰色だったのかも知れない

生きる使命が在るのなら生き続けるだろう
死ぬのならば安息の夜に沈むだろう

光と闇の螺旋が続く宇宙の方程式は
ぼくを魅了する

水の命と
空気の命がぼくを蘇生した
別に喜びを感じた訳ではない
倦怠が右往左往する
諦めた


自由詩 夜想 Copyright レタス 2020-01-27 00:51:13
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