はるな


いもうとがきらきらした布に縺れて笑っている。わたしの知らない時間を束ねて。むかしのはなしをしよう、と言って連れ出した、四十分も無言で歩いて、ぐったりしたわたしをよそに笑っている。いもうとは清潔な幻想、だから大事で大切にしてきた。ねえ、わたしたち似ていないよね?
似てないよね。
これは夢で幻想だから、愛しくてもさびしいよ。
むかしここではるちゃんに落とされたよね。
いもうとが笑っている。そうしてわたしはそのことをひとつも覚えてないのだった。


自由詩Copyright はるな 2020-01-17 20:01:30
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