白雪姫の妖精
丘白月


長い髪はつるのように
あなたがいない時間を
追いかけるように伸びて
白いため息が雪になり
緑の葉に降り積もる

春になれば逢えると
少しでも早く
少しでも近くにと
雪色の手を伸ばす

アイビーの海に
溺れる私は
もうこれ以上
涙が染み込まないくらい
飽和状態になってしまって

あなたの花が欲しい
私はまだ小さいから咲かない
あなたは春に咲くことを
おしえてくれた

不意に帰ってきて
目も見ずに抱きしめて
キスをされてしまったら
涙は気化して星になる


自由詩 白雪姫の妖精 Copyright 丘白月 2020-01-17 19:41:19
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