beautiful glider
ミナト 螢

柔らかい肌に触れる手は
心でカーテンを揺らして来て
余った風で話すような声が
誰かのファスナーを探そうとする
それはどこかで折れた翼を
支え切れない背中のワンピース
傷口を塞ぐことで消えていく
戦いの日々に鍛えた形が
崩れても引きずりながら生きたい
左右の肩の重さを使っても
飛べなくなった骨の位置には
ピアノの鍵盤を置いたままで
燃えないように溶けないように
太陽の目を見てはいけなかった
約束があると動けなくなり
世界は確実に孤独な方が
寂しさを花瓶に飾れるから
僕も君を美しいと思った


自由詩 beautiful glider Copyright ミナト 螢 2020-01-17 08:11:51
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