五段論法
万願寺

痛みをもって痛みを制すか、あたたかのふわふわでもって怒りを殺しに仲間を募って血に塗れるか、どちらか選べ。ってずっと言われて育ってしまったピアノは黒鍵ばかりきれいに響くようにはなったけど、白鍵の素朴さがよかったとか、たぶんそれほど聞いたこともないのに言ってくる村人ABCがいるから難しいんです、霞を食って生きるって事は。なんね、そんなこつゆうほど、えらいんか、えらくはねえわ、ただ言いてえのよ、言えば悲しかったことも忘れる筈だって絶対的に信仰しているこころがあるから。それをさらに攻撃なんてできないよ。痛いじゃない、かわいそうじゃない、痛かったりさびしかったりするのは、単純にこの星の暗さの質量を増すだけで、それってあんまり美しくないから、遠くから見たときに。望遠鏡より万華鏡が欲しいタイプのにんげんかしら?あなたは。いいよ、万華鏡、つくったやつ、みせてもらったけどとてもきれいだった、緑と金で。いろいろに変わるから、黒鍵だけの音楽が祭典を奏でるのに似てるよ。血に塗れながら、痛みをあたえまいとして、あーとかうーとか、頭をかかえてすこし、毛細血管を切ったりしているあなたは、きっと素敵だよ。無敵になるまで、頑張っていいよ。こちらもずっと、隠して笑っていてみせましょう、どれほどおおきな波が来たって。


自由詩 五段論法 Copyright 万願寺 2020-01-17 01:43:51
notebook Home 戻る