片隅の夏
存ゑくべる

夏の片隅──朽ち果てた蝉の亡骸
群れた蟻が解体バラしていく
勤勉にも  休むことなく
解体バラされていく生の名残り……

ひとつの死の後先に
夏もやがては夕暮れ

暮れていく空を飛行していた彼は
今はどの空を羽搏いているのだろうか

あるいは
もしくは

この夏の片隅に  地に伏して
じっとしているのかもしれない

かつて飛行した空を見上げながら……


自由詩 片隅の夏 Copyright 存ゑくべる 2020-01-09 23:56:01
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