青銅の庭を這うもの
秋葉竹



くちのなかの鉄の味
消えない、初めての蛇の恐怖

たのしいことの
思い出を捜して
さらに捜して、振り乱す、
尻尾の先は枝分かれし
冬は、ゆっくりと、赤い舌を凍らす

青銅の庭には、死んだ夜の女王の影
忘れられない、蛇の女王の亡骸

初めての恐怖の朝は、
そのようにして、過ぎゆき

日常に白銀の雨が降る、青銅の庭、
心を蕩かせる白昼の夢に、溺れる






自由詩 青銅の庭を這うもの Copyright 秋葉竹 2020-01-05 09:10:02
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