息継ぎ
たもつ

 
 
ある日、ふと
僕がどこかに行ってしまった
家の中を探しても
戸外を探しても
どこにも見つからない
自分の中を覗き込んでも
ただ海のようなものが広がっている
どこか遠くの方から
母が僕の名を呼ぶ声と
はあい、という返事が聞こえる
記憶の中では得意げに生きているのに
すべての夏休みが終わっても
息継ぎだけはうまくできない
 
 


自由詩 息継ぎ Copyright たもつ 2020-01-03 18:05:19
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