日向と日陰のある日常
こたきひろし

KEIKOさんは恵子さんと書くのに
幼少の頃から
けして恵まれては来なかった
らしい

とは言っても
個人の情報の漏洩はゆるされない時代
具体的な記述は避けられているから
確かめられない


太陽はその光を遮られると
影を産み落とす
そして
影は陰となって膿を及ぼし
かねない

ハルコさんは
春子さんと書くのに
冬の匂いがしている

北の国で生まれて
豪雪の街で育った
からかな

とは言っても
南の国で生まれて
あたたかい冬に育っても
冬子さんは
普通にいるだろう

それにしても春夏秋冬
四季のいちばんに春をむかえたい
人の心情は切ない

四番目を冬にして
春を待つ想いは痛い

この世界には
その出生から恵まれた子どもと
恵まれない子どもが存在している

だから何だよ
そんなの当たり前じゃないか

陽光は公平じゃない
陰と日向は
日向と陰は
自然の展開だろう

光を遮られれたくなかったら
人を塵にして
人の波を押し退けていけ


おそれることなく
躊躇いもなく?





自由詩 日向と日陰のある日常 Copyright こたきひろし 2019-12-18 07:21:55
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