せかい
たもつ

 
 
とてもとても遠いところから
君の訃報が届いた
時刻表を確認することもなく
僕は一番最初にやってきた列車に乗る

いったいどれだけ乗り継げば
君の場所に行けるんだろう
君の生きていた場所に
君の生きていけなかった場所に

かつて
「きみ」と「せかい」とが
同じ質量をもっていた時があった

どんなに列車を乗り継いでも
たどり着けないところがあると
僕らは知りたくなかった
 
 


自由詩 せかい Copyright たもつ 2019-12-08 18:04:14
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