ロマンチック
ミナト 螢

打ち上げ花火で自転車を探す
大きな車輪を転がす間に
舞い上がる心を乗せて行くよ

見えないはずのレールを繋げて
後ろ姿だけ確かめられた
あなたの光と混ざろうとしたら

私の身体が燃やしてしまう
愛も記憶も両手を離すまで
灰になんてしたくないから

暗転の間で会えた背中に
届くようなサドルの高さを
いつか分かる日が来るのだろうか

最後の夏が終わり
私は身長が少し伸びた
あの光をまだ踏んではいない


自由詩 ロマンチック Copyright ミナト 螢 2019-12-08 09:48:35
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