冬のバラ
丘白月


雪の精に抱かれて
時間を凍らせる
綺麗なまま眠り
誰か来るのを待つ
温かい指先が触れるまで
私を連れて行く勇気がある?
雪の精に誓える?
刺の意味を記した辞書を
雪の下に探せる?

温かい湧き水が作る
ひとすじの川に
氷の粒が命のように流れ
見送るために私は咲き
あなたの吐く息が
私の涙をかくしてくれる
あなたは生まれたての雪
溶けやすく凍りやすく
前世を思い出す



自由詩 冬のバラ Copyright 丘白月 2019-12-04 10:25:23
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