缶カラ、からから(改訂)
ひだかたけし

何処か遠く彼方から
子供たちの声響く夕暮れに
缶カラからから転がっていく

風もない 人もいない のに
からからからから転がって
グシャリひしゃげる 銀の色
すると無数の記憶の断片が
ぱらぱらぱらぱら巻き上がる

)ぱらぱらぱらぱら巻き上がりながら
)突き抜けていく突き抜けていく
)暗闇迫る現の向こうに

そうして全ては忘却され

再び缶カラ転がって
此岸の柔らかな残照に
きらきらきらきら照り映える












自由詩 缶カラ、からから(改訂) Copyright ひだかたけし 2019-11-23 22:04:21
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