雪のたね
丘白月
まるく白い
夜空の星のような
あられが降る
いったいどれくらい
落ちてくるのだろう
星の数だろうか
アスファルトを
白く塗っていく妖精だろうか
手のひらで溶ける星たちは
温かい雪のたね
いったいどれだけ
遠くからやって来たのだろう
冷たい空気の中で
温もりを持って来る
幾つも溶けては積み重ね
雪のたねは雪を生む
小枝に吊るされた
クリスマスのライトが雪に滲んで
涙のように光っている
白い妖精は世界中の涙を
生んだばかりの雪で
拭きとっていく
今夜すべての人が
笑顔にかわるまでずっと