雪のたね
丘白月


まるく白い
夜空の星のような
あられが降る

いったいどれくらい
落ちてくるのだろう
星の数だろうか

アスファルトを
白く塗っていく妖精だろうか

手のひらで溶ける星たちは
温かい雪のたね

いったいどれだけ
遠くからやって来たのだろう
冷たい空気の中で
温もりを持って来る

幾つも溶けては積み重ね
雪のたねは雪を生む

小枝に吊るされた
クリスマスのライトが雪に滲んで
涙のように光っている

白い妖精は世界中の涙を
生んだばかりの雪で
拭きとっていく

今夜すべての人が
笑顔にかわるまでずっと


自由詩 雪のたね Copyright 丘白月 2019-11-20 20:40:51
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