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ミナト 螢

モミの木が寂しい緑のまま
明日を指差す生き物だったら
お願いしますと配ったティッシュに
どんな息を包めばいいのかな

雪のコートが似合う夜だった

人々が持ち寄ったプレゼントと
ティッシュを交換してくれたから
この街に馴染む素敵な飾りを
身につけていれば嬉しくなるね

ありがとうばかり伝えてきたけど
さよならを言えず逃した電車が
踏んでしまったクラッカーの音で

今日がもうひとつ増えていくような
階段の先を上り続ける

モミの木が賑やかな色になって
昨日を忘れる生き物だったら
寂しいかもねとうつむくままに
戸惑うロウソクをふぅ〜っと消した


自由詩 if Copyright ミナト 螢 2019-11-18 06:34:24
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