ポインセチアの妖精
丘白月


赤いハンカチをちぎったように
嘘の花びらが積まれていく
いちばん下に隠された気持ちが
あなたに見えるかしら

妖精が色とりどりの花苞を
持ち寄って集まる
星のしずくを集めた花が
中心で生まれる

花を綺麗に見せようと
支える葉を緑に染める
初夏と紅葉を
冬の真っ白な雪に乗せる

ポインセチアに泳ぐ
妖精が目を閉じる
クリスマスに欲しがる
魔法をかけながら

満月が樅の木に抱かれて
いつの間にか消えて
氷になった星を
妖精が運び始める

ポインセチアの根の上に
一つづつ氷の星を
命の元を足していく
少しづつ溶けながら

妖精たちの祈りが
広がっていく
すべての子供たちに
幸せになって欲しいと


自由詩 ポインセチアの妖精 Copyright 丘白月 2019-11-12 22:23:24
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