ポインセチアの妖精
丘白月
赤いハンカチをちぎったように
嘘の花びらが積まれていく
いちばん下に隠された気持ちが
あなたに見えるかしら
妖精が色とりどりの花苞を
持ち寄って集まる
星のしずくを集めた花が
中心で生まれる
花を綺麗に見せようと
支える葉を緑に染める
初夏と紅葉を
冬の真っ白な雪に乗せる
ポインセチアに泳ぐ
妖精が目を閉じる
クリスマスに欲しがる
魔法をかけながら
満月が樅の木に抱かれて
いつの間にか消えて
氷になった星を
妖精が運び始める
ポインセチアの根の上に
一つづつ氷の星を
命の元を足していく
少しづつ溶けながら
妖精たちの祈りが
広がっていく
すべての子供たちに
幸せになって欲しいと