春先
たもつ
ありふれたあなたの指先が
遅れてきた春先に触れている
今日も
曖昧な言葉で
あやふやな言葉で
愛は語られ続け
朽ち果てるのを待っている
同じものを見ていたはずなのに
あの時、あっ、と
小さな声を発したあなたは
何に驚いたのだろう
自由詩
春先
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たもつ
2019-10-24 20:01:26
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