わたしにとってあなたは
余韻

2019.10.10.

あなたはわたしのたったひとりの亡友だったと
悲しみとは時に時間差で襲いかかってくるもんさ
まんまとわたしは気が狂い死にたくなった
繋ぎ止める日常の命綱 あなたの微笑みがまだ思い浮かぶうちはと

肥えても肥えても痩せ細っていく心
集めても集めても空しいだけだった
ほらいつまで経っても 宝箱はからっぽのままじゃないか
あぁすべて薙ぎ倒してでも見届けたいのに
何万人の血をぶちまけたらいいの
もうすぐこの世界が終わるという それが定説らしい
ここ何百年の話というけど

あの教科書は何処へ仕舞ったままなんだろうね
とはいえ探したりはしない なんとなく光ってる
痩せ細った心の奥へと続く田舎道の途中に落ちてる
そんな場面を憶えてる ならそのままでいい そんな優しい気持ちのままなら

何度マーキングしたって無意味だった
突いても突いても砂の山
どうせならいつまでも遊んでいたかったけれど
あっとゆうまに夕暮れは行ってしまうんだよ
あぁ空しさで満水となった万年床
乱獲されたのはわたしの中の正義だった
もはや張り紙どころじゃどうにもならないが
消耗品にはしちゃいけないし代用品なんてもってのほかさ
心だけは

あなたはわたしにとってたったひとりの亡友だったと
無人のターミナル 幽閉し続けてきた夢の亡骸たちが
何を思うでもなく何かを悟るためでもなく ただただ佇む
花のように月のように
わたしにとってのあなたはそんな場面で蘇り続けては
見送っては引き留める こんなわたしを…


自由詩 わたしにとってあなたは Copyright 余韻 2019-10-20 14:46:43
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