犬 猫
蒼木りん

犬に罪は無いだろう

きっと

あなたにも


愛を受けて育った

けれど

序列を正す

愛を惜しまず

愛を乞う

あなたは

犬だ


常に側にいることが

良いことなのだと

思えない


私は

人気ない屋上のすみで

猫になる


反対側のすみにも猫がいる

言葉は交わさない

一定の距離のまま

目を瞑ったり開いたり

それで会話できる

猫同士だから


犬に罪は無いだろう

きっと

あなたにも


毛嫌いするのは

いつも

あなたのほうが先で

こういう私を

見取った気になるのは

仕方ないことなんだろう

数式でも 

実験されても

でるものは

気の毒だけれど

獲物を追うあなたを満足させない


猿ほど

意地悪な考えなんて

頭に浮ばない


好いか悪いか

判断は

頭の良いあなたがしてしまう


また自動的に制御している

これは性分

私には

寂しがりやという言葉はあてはまらない


陽だまりで

眠って空を見る

私はくだらない者でしかない


あなたは わたしは 

左 右 向きの

犬 猫






未詩・独白 犬 猫 Copyright 蒼木りん 2005-04-04 23:18:54
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