泥濘
来世の

諦めてなげうって
一面に梅雨じみていた

ぐわり、ぎゅうと潰されひずんだ脳髄が宙に一掬いこぼれてしまい
泥まみれのみじめな白い靴下ではどこへも行けない

傘の羽音 傾いだ日没と共に、
ゆわいた髪でわたしの赤面を見つめているきみも
生まれたばかりのぬかるみにいる





自由詩 泥濘 Copyright 来世の 2019-09-19 04:38:24
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