八月の汽水域
ことこ

朝顔のうつむくほうへ微笑んで表面麻酔をほどこす手つき


ゆりかごを揺らしてそこにいたはずのプランクトンの未来を思う


羊水のように流れて流されてこんなとこまで来てしまったの


初盆のかわりに花火を看取ってる 汽水域にも似たかなしみの


さよならの言葉はとても言えなくて子守唄だけ聴かせてあげた


短歌 八月の汽水域 Copyright ことこ 2019-08-01 14:04:17
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