シュー イン ザ ドアー
末下りょう

ティッシュのような毎日を配って

水を飲み
汗を拭いて

赤い屋根の 濃紺の影が灼熱の四つ角をひんやり濡らす 一軒家の
ドアーに爪先をはさみ入れた


靴幅の隙間に
斜めに顔を近づけて
真っ暗な廊下のずっと先に見える

裏庭のクレマチスの木陰に隠れている旅人を知っているように




自由詩 シュー イン ザ ドアー Copyright 末下りょう 2019-07-29 21:21:18
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