そよかぜと少女
st

そよかぜが

うつくしい少女に

恋をした


その長い黒髪に

ふれたとき


あらいたての

シャンプーの残り香のような


フローラルな香りが

ただよい


その清潔感と無垢さが

たまらなく

好きになったから


いつかきづいてくれる


そんなはかない想いを胸に



いつも

少女のそばにいる



ある夏の日の午後



そよかぜに乗って

ただよう髪の香りに

  
少年がふり向き


とっても

気持ちが安らぐ香りだね




少女にはなしかける


二人は急速に

なかよくなってゆく


そよかぜのことなど

気にもせずに



そよかぜは

なきぬれたが


そんな時


少女の

ひそかなつぶやきが

聞こえてきた



そよかぜさん

ありがとう











自由詩 そよかぜと少女 Copyright st 2019-07-15 04:29:27
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