バス停 第8話
丘白月

詩的連続ドラマ 第8話


雑貨屋さんの中にある
貝細工喫茶で紅茶セット

カモミールのハーブが緊張を溶かしていく

今度は一人でも寄ろうかなと
そう思いながら
智子はケーキを頬張った

黄昏がおとずれて
街にぽつりぽつりと
看板に火が灯り始める

お目当ての靴と日記帳も買い
一人で気ままもいいけど
楽しかったと思った

バスを待ちながら敦子は言った

智子さんこれからも仲良くしてね
私は子供がいないから休みの日は私も
アパートに一人なんですよ

めったにないけど
回送バスも遠慮なく
掴まえて乗ってくださいね

えっ 知ってるの?・・・
伊藤君どこまで話したのかな

夕日を浴びながら
遠くにバスが見えて来た
カモメが並んで飛んでいた


つづく


自由詩 バス停 第8話 Copyright 丘白月 2019-07-06 21:11:43
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