リビン アティク オブ ライブハウス
竜門勇気


黒と白と赤と黄色
コップの中で揺れている
最悪の出来事が
たくさん起きたんだ
そんな顔をしてみんな立っている

ただ違うことが不幸の始まりで
同時に終わりを内包している

ここはどこでもない場所
電気が通ったケーブルがいくつか這い回る
ただそれだけが意味を持つ場所
どこのライブハウスの屋根裏にも
僕みたいなやつが住んでるんだ
観測する無意味
第三者の外側の第三者

ただ違うことだけが存在する
違うという言葉だけが

また夜が訪れる
昼間のあいだに盗んだサンドイッチと
コップの底に残った酒をかき集めて作ったカクテル
伸び切ったヒゲをむしりながら
気が向けば手拍子を打ったりする
クソを積み重ねればきっと
強くて純粋な音楽になるんだろう
下手な酔いが蓄積していく
偽物の楽器をなでている
偽物の音楽をきいている

ただ違っているのが君のいいとこさ
これだけは自慢できるよ
君が誰とも違うことを僕はわかる

構わないよ
もっとでかい音でやれ
もっともっとでかい音で

誰に伝えに来たんだ?
そのステージの前に立ってる君のお友達か?
世界の果てまでぶっ飛ばしたくて来たんじゃないのか?

構わない
もっとでかい音でやれ
もっともっとでかい音で

ライブハウスの店員に好かれたくてやってんのか?
もっともっとでかい音でやれよ
屋根裏の俺を殺すくらいでかい音で




自由詩 リビン アティク オブ ライブハウス Copyright 竜門勇気 2019-05-14 23:56:12
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