憧憬
マサヒロK

足もげの錆びた飛蝗
放置される駅前
送電路に集う青い蝶
地上に銀色の粉を落とし
会話する
列車から降り立った機械臭の一団が
四散する夕暮れ
誰が見つけたかシャボンの船が
空に溶ける
いつまで続くのか、
雨に洗われた廃棄物の影が
灰色微かに佇む、この市街地に
薄く虹のかかったようなこの世界は
美しいのか
儚いのか?
夕暮れに飛来する
様々なもの
不思議な光を追いかけた
少年時代の思い出
星の見え始めた空
銀色の明かりの灯り始めた中
人々のそれぞれの世界が広がる
いつか来るべき
未来の情景を夢見つつ


(30代制作)


自由詩 憧憬 Copyright マサヒロK 2019-04-16 21:14:42
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