立見春香

桜ゼリーが食べたい

夜のお花見は
少し騒がしすぎて
わたしには少し
馴染まないような気がして
時計を気にして
早々に切り上げよう


小さいけど
わがや
あの1DKには
ダメだけど
最後だからと
ゆうべ
花盗人が
盗んでくれた
花瓶に挿した
一本の桜の枝が
とても自由に
伸びをしている

その花を見ながら
お酒は少々たしなみ
カーテンも窓も開け放して
こじんまりとした
生活感漂う色の
(1千ドルくらいのかな)
夜景を眺めて

桜ゼリーを食べよう
わたしひとりの時間
ムダだけど
楽しい

ゆうべからはもう
だれも来ないはずの
ひとりくらしの部屋の
気楽なお花見

ムダだけど
楽しい








自由詩Copyright 立見春香 2019-04-13 14:44:54
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